* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
・・・と、愕然とする私の目の前には、これまた高くそびえ立つ白い壁。
見上げると、雲に突き刺さってるんじゃないかと思う位高い、半円形の筒のような建物が建っている。
金持ちの家って、勝手にお城のようなイメージをしていたから、呆気にとられた。
「・・・って、ここホテルじゃん!」
よく見ると『柏原グランドホテル』とかかれた石板が立っていた。
「・・・って、えっ!?ここって、ひょっとして・・・。」
「そっ、紋之丞んちのグループが経営してるホテル。知らなかった?」
えぇぇぇぇっ!?
私の叫びは、驚きすぎて声にならなかった。
どんだけ金持なのよ!
見てからに高級感あふれるその建物に、
ただただあんぐり口を開けて、立ち尽くしていた。