*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「よっ、紋之丞。」


「・・・なんで貧乏女がここにいるんだよ。」


陽気に声をかける清四郎を軽くスルーして、苛立ちを込めた声に、私は俯いていた顔を上げた。



そこにいたのは、いつもの柏原ではなくて、

なんともまあ、こんがりと・・・焼けて・・・る!?


病弱とは程遠い、むしろ健康的に日に焼けた、いつにもましてエラそうな俺様柏原の姿が・・・。



「・・・どうし・・・て?なんでピンピンしてるのよ!」


「あ?何言ってんだ、ドブス女。」


思わず発した私の言葉に、柏原はさらに苛立ちをつのらせる。


とうとうブスに、『ド』が付いちゃったし(涙)



・・・って、今はそんな事より!


「だってあんた、病気で入院・・・。」


「ぶはっ、ごめっ・・・もう・・・無理!はははっ。」


理解に苦しむ私の横では、清四郎がお腹を抱えて床に崩れ落ちていた。


「「どうゆう事だよ!」」


思わず柏原とハモってしまった事も気にしていられない。


私は仁王立ちで清四郎を見下げて睨んだ。


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