* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「やべっ、腹いてぇ。」
私の睨む姿など気にも留めないで、清四郎は目に浮かんだ涙を指先で弾いた。
「読者の皆様、ごめんね。こんな展開で。」
もはや笑い過ぎで、意味不明な発言をする清四郎。
「誰に謝ってんのよ!!」
「清四郎!」
私も柏原も、もう噴火寸前!
「ごめんってば。ホントごめん。
紋之丞んちが経営するホテルが、世界の至る所にあって、たまに視察のために1週間位、学校を休むんだよ。」
清四郎は、まずは私に向って、説明を始めた。
「軽く嘘をついたら、サラちゃん面白いほど簡単に引っかかるから、なんか楽しくなってきちゃってさ。
つい、ねぇ?」
「何が『つい』よ!2日間、私が、どんな気持ちで・・・。」
「へぇー。どんな気持ち?」
清四郎が、いたずらっぽく笑いながら、私の顔を覗き込んでくる。
「どんな・・・って・・・。」