* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「別に、コソコソなんてしてないわよ!だいたい、あんた学校休んで何してたのよ?
なんで日焼けしてんの?」
清四郎が変な事を言うから、焦って早口で捲し立てた。
「仕事だよ、仕事。」
「仕事って、あんた高校生でしょうが。」
「ジュニアは忙しいんだよ。年に何回か、海外でやってるホテル事業の視察に行かなきゃなんねえの。
今回はハワイだったから、バカンスも兼ねて行ってきたっつーわけ。貧乏人にはわかんねえよ。」
そう言って柏原は、自慢げに鼻をならした。
どんだけ金持ちだよ!
ってツッコミ入れたかったけど、また『貧乏人』って言われるのもムカつくし、やめておこう。
「・・・で?お前は何でここにいるんだよ。」
金持ちアピールで少し気分が良くなったのか、般若の顔が少し落ち着いた。
「ごめん、紋之丞。俺がサラちゃんに嘘ついたんだ。」
私が口を開く前に、清四郎が切り出した。
「紋之丞が病気で入院して、日曜に退院するから、一緒にお見舞いに行こうって誘ったんだ。」
「そうゆう事か。」
そう言って柏原は、清四郎から私に目線を移した。