この空の下で


体育館に入ったあたし達は、荷物を端っこに置いて立っていた。

まだ視線は痛いままだ。

でも、こんなの全然へっちゃら。
あたしはもっと、辛い思いしてきたから…その時の事を考えれば、こんなの序の口にも入らなかった。

ドスンッ


「?」

ぼーっと立っていたあたしとマイの目の前に、クッション付きの長椅子が置かれた。


「どぉーぞッ♪」

「ぁ、ありがとう美紗。」

きっと監督に言われたんだろう、美紗が長椅子を出してすすめてくれた。

あたし達は大人しくそれに座った。


「マイ?大丈夫?」

「さっきの絶対おかしいよ…美紗、今はあんな態度だけど、さっきのと全然違うじゃん…」

「うん…」


差し詰め、後から来たのが気に入らないのだろう。

女が意地を悪くするパターンだ。
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