EBE-地球外生命体-
「あ…」

ハワードに言われて、僕は初めてその事に気づく。

確かにそうだ。

これまで僕達グレイは、その非力さゆえにレプリティアンに抗する事が出来なかった。

でも今の僕の力なら、勝つ事はできなくてもレプリティアンを追い払う程度ならば可能かもしれない。

思わずマジマジと、自分の手を眺める。

と。

「ハワード、グレイ君をそそのかさないで!」

シンディが僕を抱きすくめた。

「こんな可愛いグレイ君に、そんな野蛮な事なんてさせないんだから!」

「……」

僕の頬にシンディの胸が当たっている。

他星系の異性になんて魅力は感じないと思っていたけど、地球人の女性というのも、これはこれでなかなか…。

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