EBE-地球外生命体-
…ますます周囲の空気は緊張したものとなる。

危険な能力を持つ、『地球人以外の生命体』。

既に『良き隣人』なんて考えは、周囲の連中の頭の中からは消えているらしかった。

ともすれば、エリア51内部に侵入してグレイの遺体を捕食したのは、レプリティアンではなく僕なんじゃないか…そんな考えに至っている者もいるかもしれない。

冷たく、凍えるような視線…。

その視線を察したのか。

「よし、測定を終わろうか。シンディ、彼を連れて医務室へ」

ラッセルが気を利かせてトレーニングジムから移動した。

…正直、僕も人目に触れる場所にはいたくなかった。

そして、そんな空気を気にするあまり、僕は気づいていなかった。

周囲の連中とはまた違った意味で僕ら三人を見据える、ハワードの視線に…。

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