EBE-地球外生命体-
言葉を失う僕に、ハワードは続ける。

「犯人ってのは、その疑いの矛先を他所に向けたがるものさ。どうするかっていえば…疑惑を他人に向ける。僕がラッセルでも、『怪しいのはハワードかシンディだ』って言うさ」

「ラッセルも、同じ事を言うと思うよ…?」

僕がそう言うと、ハワードは眉をハの字にして困ったように笑った。

「成程、それもそうだ。これじゃ説得力ないな」

異星人でない事を証明したいのか、はぐらかしたいだけなのか。

飄々としたハワードの態度では、よくわからない。

とりあえず彼の持ってきてくれたコーヒーを飲み干す。

その時。

「きゃあぁぁああぁぁぁぁっ!」

通路の奥の方から悲鳴が聞こえた。

女の声だ。

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