EBE-地球外生命体-
「し…シンディ…」

満足に言葉も紡げないまま、僕は彼女の名前だけを呟く。

その言葉から、僕が何を感じているのかを察したのか。

「ち、違う!違うよグレイ君!」

シンディは必死に否定を繰り返した。

「私じゃない!彼を殺したのは私じゃないわ!」

「……」

だけど確証がない以上、可哀相だけどシンディを100パーセント信用してやる訳にはいかなかった。

兵士の死体。

駆けつけた時にはシンディがその傍らに立っていた。

あまりにも疑わしすぎる。

ただの地球人同士の殺人ならば、非力なシンディがどうやって兵士を殺害するのかなどという疑問も湧くが、恐らく犯人は異星人…レプリティアンだ。

シンディに擬態していると考えれば、それも説明がついた。

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