EBE-地球外生命体-
迂闊だった。

どうして『誰に擬態しているか』なんて考えたんだろう。

犯人を誰か一人に絞り込む事。

それ自体がナンセンスだったんだ。

犯人は擬態の達人。

ハワードだろうがラッセルだろうがシンディだろうが、『誰にでも自在に擬態できた』のだ。

そして目の前にいるこのラッセルこそが…。

「そろそろ正体を現したらどうだい?」

僕の呼びかけに。

「そうだな」

ラッセルの顔をしたそいつは、まるで覆面を取るかのように、顔の表皮を片手で剥ぎ取る。

べリべリという生々しい皮を剥ぐ音。

その音と共に、表皮の下から真の顔が出てくる…!

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