ちょっとそこまで世界征服してきます


「一国を納めるだけで、執務執務、書類書類。今にでも脱走を図る君のことだ。よくその辛さは分かるはずだが」


「………、私が馬鹿でした」


すみません、と一件落着


呆気ない終わりだが、事実は確か


姫にとって最悪の事実


自分の愚かさに気づき、落ち込む頭を軽く撫でるのはロード


「何の影響を受けたは知らんが、世界征服をほざくようになれば人間は終いだ。己の内にある――手の届く範囲の世界で精一杯に歩けばいい。

欲張りすぎてはいつかは壊れる。人間の器は極小だからな。改めて自分の器と向き合え。いかに自分が馬鹿な発言をしたかが身に染みるから」


「おまえ……。慰めてんのかそれ」


頭を撫でられる姫が五センチほど身長が縮んだ錯覚を覚える


< 13 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop