新撰組 浅葱の衣を纏う者
「で、なんですか話って?こんな夜更けに」




蓉は高杉と向かい合う様に座る



「ああ、それか………」



高杉は煙管(キセル)を吸う



「お前、清河が浪士組の参加者を募った事は知ってんだろ?」



「ええ、確かいろいろな道場で言っているみたいですね」



清河八郎は幕府に対する攘夷論者で、幕府にとっての要注意人物である

清河は、攘夷の断行などを条件に、浪士組をつくり、将軍徳川家茂の護衛を任されたのである



「そうだ。んで、今回、お前はその浪士組に入ってもらう」



「………はあ?」



聞き間違えでもしたのか?と蓉は思う



「だーかーら、お前にあの浪士組に入るの!」



どうやら聞き間違えではないらしい

蓉は「なんで?」と言う顔をした



「いやー、この前清河の使いがきてな……」



と、聞いてもいないのに、高杉は話し始めた

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