新撰組 浅葱の衣を纏う者
「………ちょっと待って下さい。あたしはそうすると、貴方に売られたって訳ですか?」



「そうだな、ちなみに百両で」



高杉が言い終わった瞬間、蓉は目にも止まらぬ速さで抜刀し、高杉の首にそえた



「ふざけないで下さいよ。なんであたしが貴方勝手に売られなければいけないんですか?しかも金で」



「いやー、だってさ………ほら、俺、この前の酒宴で結構金を消費しちゃって……」



アハハハ………と高杉は苦笑いをする

すると、蓉はますます刀を首に押し付ける




「それは貴方の都合でしょう?あたしが承諾をしてもいないのに、勝手にやられては困ります」



「…………じゃあ、お前の意見を聞こうか」



高杉は低い声で言う

蓉は取りあえず刀を鞘にしまい、座り直す



「まあ今さらなんとかなるって訳じゃねえが……」



そう言い、煙管の灰を、高杉は落とす



「………やるか?」



キッと蓉を睨む

対し蓉は、下を向いている



「…………まっ、暇つぶし位にはなりますよね?」



と、蓉は顔を上げた



「って事は…………」



「いいですよ。入ります、浪士組に」



「………分かった」



そう言うと、二人は笑い合った
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop