18年分の想い
お葬式も順調に終わった。

洋介はたくさんの花に囲まれた。


あたしは最後に洋介の胸の上に花を添えた。

あとは告別式だけだった。
でもあたしは
洋介が骨になるのを見るのが怖くて

火葬場の外にいた。

はじめ君に
あるお願いをして。

大きな煙突からは
真っ白な煙。

今、洋介の体が空に還って行く。
あたしは手を合わせて
それを最後まで見届けた。

それから家に帰り、ご飯も食べず、眠りもしないで泣き続けた。


1週間後、
はじめ君があたしの家に来た。

「頼まれてた物、持ってきました。」

はじめ君はそう言い小さな袋を差し出した。

袋の中身は洋介の灰。

「ありがとう。これが…洋介の灰。人ってあんな短時間で灰になっちゃうんだね…」

あたしが洋介の灰を見つめていると

「兄貴、最後まで愛梨さんと一緒にいれて…幸せだったと思います。」

はじめ君の洋介を思う言葉が
胸に刺さって痛かった。

「ううん、はじめ君。あたしは最後まで一緒にいれなかったよ。洋介の最後は事故にあった時。洋介は1人で死んでいったんだよ。…でもその最後に洋介が考えてたのがあたしで良かった。」

「そうですね…。」
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