happyマジック
「忍もさ~、裕城には勝てないってわかってるんだから喧嘩吹っ掛けるのやめなよ」
忍の傷口に消毒液をかける先生の横に座り、彼に話しかける。
「ちげーよ。あいつが喧嘩売ってくるから俺が買ってやってんの」
「その割りには忍くんもしょっちゅう保健室に来るわね」
先生がクスクス笑う。
忍はそっぽむいて頬を赤く染めている。
こうゆうすく照れる反応が可愛くて私も顔が緩む。
「何笑ってんだよ」
「べっつにぃ~」
ムッとする彼がまた可愛くて、私は笑いを堪える。
顔はかっこいいくせに、中身ほんと子供。
そんなとこが多分私は大好き。
「ほら出来たわよ」
「いてっ」
先生がポンッと出来上がった傷口の上を叩いた。
それに小さく忍が声を上げる。
「さぁ、はやく教室に戻りなさい」
「えぇ~、今から?」
忍と私が声を揃える。
「そうよ。ほらほら」
先生に無理やり背中をおされ、私たちは保健室から追い出されてしまった。