happyマジック
「ちょっと待ってよ」
急いで追いかけようとした。
けど、
「きゃっ」
地面に敷き詰められた砂利に滑り、体が傾く。
「あぶねっ」
そんな私を、忍が軽々と受け止めた。
「あ、ありがとう」
そうお礼を言った私の頭上から深いため息が聞こえた。
「しっかりした顔して何でそんなに危なっかしいわけ?」
「……ごめん」
「だから俺が守れますようになんて変なお願いしちまうんだろ」
……え?
守れますように?
しっかり立たされた私は目を見開いて少年をみる。
「……ん?」
自分の発言に気づいてないようで、私の視線に首を傾げてる。
お願い……してんじゃん。
バカな忍は、やっぱり気づかずに、
おみくじおみくじ~っとまた歩き出している。
私は緩んだ口元をばれないように隠しながらその背中を追いかけた。
新年のお願い
end.
(あれ?俺もしかして言っちゃった?)
(……バーカ)