happyマジック

笑ってしまう。



そんなことは分かってる。



忍が読まないって分かっててあえて持ってきた。



でも、頭使うのが嫌いな忍がインフルエンザで頭おかしくなって読むかもしれないと思って持ってきたのだ。



「やっぱり読まない?」



「読まない」



「残念」



私はかばんの中に小説をしまった。



忍は私に背を向けてしまっている。



そんなに会いたくなかったのかな。



ちょっとショックかも。



「早く帰れよ」



「やだ」



きっぱり答える。



「もっと一緒にいたい」



夏休みだって、冬休みだって、5日間も会わない日なんてなかった。



つまんなかった。



だから、会えなくて寂しかったのにもう少し一緒にいたっていいじゃん。




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