happyマジック
背中から、深いため息が聞こえた。
「そういうの関係ないだろ」
「あるよ」
「……」
彼を見ると相変わらず背を向けていて寂しくなる。
「……だよ」
「え?」
「かっこわるいからこんな姿あんま見せたくねえんだよ」
小さな声が部屋に響く。
恥ずかしがってる?
顔は見えないけど照れてる様子。
「わかったら早く帰れ」
弱々しく照れる忍も悪くない。
こんな可愛い姿を見て、笑ってしまう。
「わかった」
私はベッドの横にさっきしまった小説を置いて立ち上がる。
こんな忍の言葉で気持ちを変えるなんて、私も単純だな。
やっぱり忍はいつでも忍なんだ。
そうして私は、部屋のドアを強く開けた。
インフルエンザ
end.
(明日も来るね)
(分かってねえ!!)