happyマジック
「うつるから、部屋まで来なくてよかったのに」
「いーっていーって。
そんなちょっと来ただけでうつるような柔な身体じゃねーよ」
聡平が座り込みながら言う。
こういうとこ、変に優しいんだよね。
いつも『忍がこわいー』とか言って私を避けるくせにさ。
やっぱ、幼なじみって家族みたいに特別なのかな。
「おい裕城。座んねえの?」
「ん?ああ。座るよ」
キョロキョロ周りを見回してから座る。
メロンも一緒に床に置かれて少し重みのある音が響いた。
「どうかしたの?」
あまりに裕城が気にしながら座るので尋ねた。
「……あのバカは、来てないんだ」
バカ……?
「ああ……忍のこと?」
「そうそう」