happyマジック
何だかんだ照れてるだけで私の嫌がることってそんなにしないと思う。
優しいとこあるし。
じゃあ……誰?
「あーうざい」
スッと裕城が立ち上がった。
「行ってくれるの?」
「病気の紗苗が休めないだろ。
俺しか役にたてないみたいだし」
「それって俺のこと?!」
悲しそうに声をあげる兄を無視して裕城がドアから出て行った。
……聡平って、可哀想な役回り。
まあ、どうでもいいけど。
裕城が出て行ってすぐだった。
ダダダダダダダッ
ものすごい速さで近づいてくる足音。
ドバンッ
「苗ちゃん!!」
勢いよくドアを開けた人物は私に飛びついてきた。
「大丈夫だったぁ~?
心配したよー」