happyマジック
あいつは突然やってきた。
『聡平って弟いたんだな』
それが最初だった。
見た瞬間から嫌な予感がしてた。
顔がどうとかじゃなくて、口調と雰囲気と表情。
それらが全て俺の敵になるのではと直感でやつを拒否した。
俺の直感はよく当たる。
だからこそ、愛想なんて振りまく余裕もなかった。
『裕城くんって王子様みたい』
そう言ったのは誰だっけ?
今まで言われたことないことを高校で初めて言われた。
理由は分かってる。
少しでも俺じゃない俺を見て欲しかった。
『幼なじみ』で固められた俺を壊したかった。