happyマジック
あれは中学2年の頃だった。
「ゆーうちゃん」
「何?」
「裕ちゃんって苗ちゃんのこと好きでしょ」
そう言ったのは当時隣の席だった紗苗の友達の夢だった。
「何で?」
正直俺は嘘が上手い。
どんな時でもポーカーフェイスでいれる自信がある。
この時もいつもと変わらない口調で言葉を返した。
「んー。だって幼なじみのヒロインに惚れるのは常識だもん」
夢は妄想が激しい。
漫画みたいな展開が当たり前にあるかのように聞いてきた。
「それじゃ翔も夢のこと好きってことになるよ」
「翔ちゃんは別ー」
翔とは夢の幼なじみ。
別って言うけど多分翔は夢のことが好きだと思う。