happyマジック
「裕城、今日ご飯何?」
「オムライス」
「やった。裕城のオムライスってビーフシチューかかってるからすごい好き」
隣でニコニコ笑う少女。
愛おしくて、こちらも笑みがこぼれる。
今日はどちらの両親も遅くなるようで一緒にご飯を食べる。
作るのはいつも俺なのだが全く不満はない。
料理が嫌いじゃないのもあるが、こうやっていつも紗苗が喜んでくれるからだ。
それが何よりも嬉しい。
「あ、そういえば」
ひらめいたみたいに声をあげる。
「堀くんって知ってる?」
ピクッと顔が引きつった。
「なんで?」
「うーん。何か裕城のこと聞かれたから知り合いなのかなって」