happyマジック

「忍ってさ、紗苗のこと好きなの?」



高1の夏が終わる頃、たまたま保健室で聡平と一緒になり、ベッドの上からそんな言葉を投げかけてきた。



この頃の俺はなかなか素直になれなくて、自分の気持ちを誰にも言えずにいた。



「あんな女好きなわけねーだろ」



「でもいつもちょっかい出してるし。目でも追ってるよな」



「バッ、好きじゃねーし」



図星をつかれて体が熱くなる。



聡平のやつ、とぼけた顔して今回に限ってやけに早く気づいたな。



「協力してやりたいけどなー、出来ないんだよ。悪いな」



好きって決定系かよ。



ってか手伝ってくれないのか。



< 80 / 111 >

この作品をシェア

pagetop