happyマジック
「忍ってさ、紗苗のこと好きなの?」
高1の夏が終わる頃、たまたま保健室で聡平と一緒になり、ベッドの上からそんな言葉を投げかけてきた。
この頃の俺はなかなか素直になれなくて、自分の気持ちを誰にも言えずにいた。
「あんな女好きなわけねーだろ」
「でもいつもちょっかい出してるし。目でも追ってるよな」
「バッ、好きじゃねーし」
図星をつかれて体が熱くなる。
聡平のやつ、とぼけた顔して今回に限ってやけに早く気づいたな。
「協力してやりたいけどなー、出来ないんだよ。悪いな」
好きって決定系かよ。
ってか手伝ってくれないのか。