happyマジック

静かな保健室に聡平の息遣いがやけに耳に付く。



ベッドで眠る聡平に近づけば真っ赤な顔とうっすら額に浮かぶ汗が目に入った。



「お前熱あんの?」



「保健室にサボリに来たと思った?」



また笑う。
聡平はバカみたいにヘラヘラしてるけど、それは周りに心配とか迷惑かけたくないからなんだよな。



だからこんな時まで笑う。



「協力出来ないけど、応援はしてるから報告してくれな」



「いいから寝とけ」



そう言って聡平に掛かってた布団を頭の上までかけた。



この時思った。
聡平と紗苗は似てるって。



他人を不安にさせたままにしないんだよな。



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