happyマジック
「ま、いーけど。
こんなペチャパイじゃ立つもんもたたなー--バサバサッ」



止めようと立ち上がろうとした私より先に忍の頭に大量の教科書が落ちてきた。



「下品」



さらりと一言言いはなったのは忍の1つ後ろの席の遊佐裕城。



「いってーな。何すんだよ!!!」



「俺に話しかけるな。下品がうつる」



「うつんねーよ」



また……始まった。



裕城は私の幼なじみであり、遊佐聡平という忍の親友の双子の兄。



さらに忍曰く、忍のライバルらしい。



顔を合わせればいつでも喧嘩。



「なんだよ、文句があるならかかってこいよ」



忍が挑発的に裕城の胸ぐらを掴んだ。



そしてそのまま裕城に殴りかかろうとした。



クラスの皆がざわめきだす。



はぁー。



何で仲良く出来ないのかなこの二人。



私は瞳を閉じた。



その瞳を閉じた一瞬に裕城は忍を軽やかによけ、忍は勢い余って転けてしまった。



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