happyマジック
「私は進学するよ」
「なら俺も同じ大学……」
「女子大だから」
即答した私に忍は落ち込んだのか拗ねたのか机に頬杖をついた。
今回ばかりは私もそんな忍の姿を見て、かける言葉が出なかった。
とは言え、まだ三年生になったばかり。
忍の進路は卒業までゆっくり考えてもらおう。
私達のことも、卒業までにゆっくり考えていけばいい。
「紗苗」
「ん?」
「ちなみにどこの大学?」
「…東京」
少し答えにくくて机に視線を落とした。
「ここから通えんの?」
「多分無理だから向こうで1人暮らしする」
今、忍がどんな顔をしてるのか気になったけど顔を上げれなかった。
何度か考えたことがあった。
向こうへ行ったら私達はどうなるんだろうって。