戦場のガールズライフ ~ブライダル編~
そんな祈りが通じたのか、本日のお客様はわりとスムーズに会場を後にされました。

ま、二次会が迫っていらっしゃるのは同じですからね。

最後のお客様をお見送りしますと、待ってましたとばかりにドアは閉じられ、厨房のスタッフ総出で片付け、二次会の準備が始まります。

「テーブルクロスはこっちね!」

「井上さん、こっち手伝って!」

「誰か、あのパーテーション使わないから退けてくれる?」

先程までの煌びやかな世界はどこへやら…

一気に戦場と化したご披露宴会場は、お開き後の音楽すらかき消されてしまうほどです。

そんな中、私は一人、司会台の周りをチェックするのみ。

お手伝いしたいのはやまやまですが、かえってご迷惑になる場合もありますし、それは私の仕事ではありません。

ですので、私に出来る事は、少しでもスタッフの皆様が余裕を持って後片付けが出来るよう、ご披露宴の時間が延びて帰る時間が遅れないよう、時間通り式を進めることなのです。


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