春になるまで
「芹澤さんっていい人なのかそうじゃないのか……際どいな」
私はブツブツと呟きながらエレベータに乗り、2のボタンを押す。
シャンデリアの光に照らされながら、ゆっくりと階数がさがっていくのを数える。
2に光がさすと、ゆっくりと扉が開いていく。
「…雛森桃さまですか?」
エレベータの外には黒いスーツを着た男性が立っていた。
芹澤さんみたいな人。
「そうですけど…」
「おはようございます。 これから桃さまの送迎を担当する東條と申します」
私が肩にかけていたバッグを自然にとって、後について来るように言った。
不思議な感覚におそわれつつ、エントランスに行くと黒塗りの車が横付けされていた。
「…どうぞ」
後ろの席のドアを開けて、中に乗るように促す。
私が乗ったのを確認すると、東條は運転席に移った。
「だいたい30分くらいですので、どうぞおくつろぎください」
そう言って車は動き出した。
流れていく景色を横目に私は目を閉じた。
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私はブツブツと呟きながらエレベータに乗り、2のボタンを押す。
シャンデリアの光に照らされながら、ゆっくりと階数がさがっていくのを数える。
2に光がさすと、ゆっくりと扉が開いていく。
「…雛森桃さまですか?」
エレベータの外には黒いスーツを着た男性が立っていた。
芹澤さんみたいな人。
「そうですけど…」
「おはようございます。 これから桃さまの送迎を担当する東條と申します」
私が肩にかけていたバッグを自然にとって、後について来るように言った。
不思議な感覚におそわれつつ、エントランスに行くと黒塗りの車が横付けされていた。
「…どうぞ」
後ろの席のドアを開けて、中に乗るように促す。
私が乗ったのを確認すると、東條は運転席に移った。
「だいたい30分くらいですので、どうぞおくつろぎください」
そう言って車は動き出した。
流れていく景色を横目に私は目を閉じた。
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