隣のイケメンくん〜イケメン4兄弟〜
みんなが学校に行くのを見送って玲ちゃんが車にエンジンをかけた。


「玲ちゃん、私ホントにもう大丈夫だよ?」


玲ちゃんが両手をハンドルの上に置き、顔を埋める。


「…頼むからしばらくの間送り迎えさせてくれ」


「玲…ちゃん?」


「オマエが襲われそうになってるのが視界に入った瞬間、初めてじゃないかってくらい大きな恐怖を感じたんだ…」


「玲ちゃん…」


「怖い目にあった本人より、俺がビビってどーすんだよな」


玲ちゃんは力無く笑った。


「…でもまた莉子に何かあったらと思うとマジでスゲー怖ぇ」


「玲ちゃん、大丈夫だよ。もう何も起こらないよ」


私はそっと玲ちゃんの手に自分の手を重ねた。


玲ちゃんの大きな手が微かに震えていた。
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