夢見る君を
「俺ユイカちゃんと同じ学科のユウって言いま~す。よろしく。」

ジャラジャラと重そうな指輪がいくつもついた細長い手を差し出して、私に握手をせがんだ。

「よろしく、ユウくん。」


その手を取ってキュッと強く握ると、ユウくんはまたかわいい顔で笑った。

「ねぇ、アドレス。」

「じゃあ赤外線で。」

携帯を向かい合わせて、お互いのアドレスを交換すると、ユウくんは嬉しそうに手を振って帰っていった。


「チャラそうな変なやつ~。」


そんなこと言ってるけど、私の胸はちょっとだけ高鳴っている。

なんだろう。

恋だったりして…。

まさか。

あんなチャラそうなやつ、相手にしちゃダメだ。

でも…

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