最期の一時間
No.1 天王寺 剛
俺は天王寺 剛(てんのうじたけし)。
天王寺高校三年。
柔道部の主将として日々練習に励んでいた…。
「やっと起きましたか。ずっと待ってたんですからね…。」
見たこともないメガネの男が目の前でぶつぶつ文句を言っている。
「…あぁ!まだ自己紹介をしてなかったね。私は天上院最終管理局の神乃田 司。天王寺さんの最後の一時間を見送りに参りました。」
「天上院…?最後の一時間…?」
「あぁ…。そういえば俺…。」
一時間前。剛は道路に倒れていた。
毎晩の日課のランニング中に信号無視をしたトラックにひかれたのだった。
「俺って死んだのか?」
剛は落ち着いた口調で尋ねた。
「まぁ…死んだと言えば死んでますし、死んでないと言えば死んでないですかね。えぇ、はい。」
神乃田…さんだったか?
年は俺と同じくらいに見える。
背はスラリと高く、かといって細すぎるわけでもない。
「お前は…人間なのか?」
剛は次第に訳がわからなくなっていた。
「まぁ…人間じゃないってことは確かですね。えぇ。
ただ…宇宙人とか地底人とかそういう類いの物ではないのでご安心を。」
剛がきょとんとした顔で立ち尽くすのを見ながら司は改まって話しだした。
「えー。ではただ今から天王寺 剛様の最後の一時間を始めさせていただきます。
心の準備は…よろしいですか?」
「…ちょっと待て!!準備も何もこっちはなにも聞かされてないんだぞ。まずはこの状況を説明してくれよ!」
剛はまた少し冷静さを取り戻していた。
「せっかく手間が省けると思ったのに…仕方ないですね。
一回しか言わないので…よーくお聞きになってくださいね。」
司はそう言うと俺の前に腰かけた。
天王寺高校三年。
柔道部の主将として日々練習に励んでいた…。
「やっと起きましたか。ずっと待ってたんですからね…。」
見たこともないメガネの男が目の前でぶつぶつ文句を言っている。
「…あぁ!まだ自己紹介をしてなかったね。私は天上院最終管理局の神乃田 司。天王寺さんの最後の一時間を見送りに参りました。」
「天上院…?最後の一時間…?」
「あぁ…。そういえば俺…。」
一時間前。剛は道路に倒れていた。
毎晩の日課のランニング中に信号無視をしたトラックにひかれたのだった。
「俺って死んだのか?」
剛は落ち着いた口調で尋ねた。
「まぁ…死んだと言えば死んでますし、死んでないと言えば死んでないですかね。えぇ、はい。」
神乃田…さんだったか?
年は俺と同じくらいに見える。
背はスラリと高く、かといって細すぎるわけでもない。
「お前は…人間なのか?」
剛は次第に訳がわからなくなっていた。
「まぁ…人間じゃないってことは確かですね。えぇ。
ただ…宇宙人とか地底人とかそういう類いの物ではないのでご安心を。」
剛がきょとんとした顔で立ち尽くすのを見ながら司は改まって話しだした。
「えー。ではただ今から天王寺 剛様の最後の一時間を始めさせていただきます。
心の準備は…よろしいですか?」
「…ちょっと待て!!準備も何もこっちはなにも聞かされてないんだぞ。まずはこの状況を説明してくれよ!」
剛はまた少し冷静さを取り戻していた。
「せっかく手間が省けると思ったのに…仕方ないですね。
一回しか言わないので…よーくお聞きになってくださいね。」
司はそう言うと俺の前に腰かけた。