恋愛請負人
美し過ぎる依頼人
約束の面談時間ちょうどに、恐る恐る私の事務所を訪れたのは一瞬目を見張る程の美しい女性だった。
探偵になってから10年以上の私はこれまでも相当な美人は見てきたのだが、正直、業務を忘れたくなる程の美しい女性というのは今回が初めてと言ってもいいだろう。
その女性は松浦美咲と名乗った。
身長は160そこそこ、細身のくびれたウエストはゆったりとしたカットソーをまとっているにも関わらず、期待を裏切ることはないのは誰の目にも明らかだ。
色の白い陶器のような毛穴など存在しないかのような肌に筋の通った鼻、奥二重でありながら、透き通ったような眼差しの力強い黒い眼球は凛とした雰囲気を執拗に醸し出している。
少しだけポッテリとした唇が、これでもかと追い打ちをかけるかの如くセクシーさと幻ではないかと消え入りそうなはかなさを漂わせ、知的なのかそのエロスを間に受けてよいのだろうかと間違いなく男を混乱させるだけの魅力を最大限にアピールしてくるかのようだった。