俺が彼女を好きな理由 ~嘘つきな俺~【短】
「やっぱりあの隣の幼なじみと何かあるのね!このままじゃ済まさないわよ!あの女と話をつけるから!」
そう言って立ち去ろうとした彼女の手を引き止めた。
「…加奈には手を出すな!!」
彼女は驚いた表情で俺を見る。
「…加奈に何かしたら、俺お前を許さないから」
「翔太…」
彼女が泣き出したのを見てはっとする。
俺、何をむきになってんの?
「…ゴメン」
俺の台詞を最後まで聞く事もなく、彼女は走り去ってしまった。
「…最低だな…俺」
今、俺は確かに、
彼女ではなく、加奈を取った。
ただの幼なじみのはずの加奈を。