俺が彼女を好きな理由 ~嘘つきな俺~【短】
「…何だって?」
「兄貴、たいした好きでもない女と付き合うからすぐ別れるんだよ」
この生意気な口をどうしてやろうかと、
若干ムカつきながら答える。
「中坊が解ったような口きいてんじゃねぇよ。
お前にそんな事解んのかよ」
ケンタは、ため息をついて振り返る。
「解るよ。…俺は、好きな女としか絶対付き合えねぇもん」
この生意気な弟は、ずっと前から好きな女がいるらしい。
「だったら、お前だってさっさと告ればいいだろ。アオイちゃんとやらに…」
ケンタは怒った顔を隠さずに言い返す。
「…そんな簡単にいかねーの!
マジで好きだったら、友達関係を壊したくないとか考えるし…さ。」