俺が彼女を好きな理由 ~嘘つきな俺~【短】
彼女は驚いて俺から離れる。
「…ご、ごめんね!お邪魔だった?
翔ちゃん、私のDVD持ってない…かな?」
俺の部屋のドアを勝手に開けた女は、
わざとらしくそう言った。
「…知らねぇよ。
部屋に入る時はノックぐらいしろよ。加奈」
「そ、そう?ごめんね~!じゃあ、ごゆっくり!」
加奈はドアを閉める。
唖然としている隣の彼女は、しばらく黙っていた後、口を開いた。
「…今の、誰?」
「…俺んちの隣に住んでる、幼なじみ」
俺はそう答える。
「…あんな可愛い子が、隣に住んでるの…?」
雲行きが怪しい。
また、振られるな…俺。
俺はため息をついた。