俺が彼女を好きな理由 ~嘘つきな俺~【短】



彼女は驚いて俺から離れる。


「…ご、ごめんね!お邪魔だった?

翔ちゃん、私のDVD持ってない…かな?」


俺の部屋のドアを勝手に開けた女は、

わざとらしくそう言った。



「…知らねぇよ。

部屋に入る時はノックぐらいしろよ。加奈」



「そ、そう?ごめんね~!じゃあ、ごゆっくり!」


加奈はドアを閉める。


唖然としている隣の彼女は、しばらく黙っていた後、口を開いた。



「…今の、誰?」


「…俺んちの隣に住んでる、幼なじみ」


俺はそう答える。



「…あんな可愛い子が、隣に住んでるの…?」



雲行きが怪しい。


また、振られるな…俺。


俺はため息をついた。



< 3 / 60 >

この作品をシェア

pagetop