俺が彼女を好きな理由 ~嘘つきな俺~【短】
「いてっ…」
後ろの壁に頭をぶつけた。
「…お前、言ってる事とやってる事が違くねぇ…?」
加奈の顔を睨むと、
加奈は本当に泣きそうな顔をしていた。
「だって…!そんな事言うんだもん…。
キスしたら諦めなきゃならないんだよ…?
出来ないよ…。
翔ちゃんが好き過ぎて…諦めるなんて無理…
だって、翔ちゃんじゃなきゃダメなんだもん…」
そう言って、涙ぐむ顔を見て、
俺は思い知ったんだ。
自分が間違っていた事を。