俺が彼女を好きな理由 ~嘘つきな俺~【短】
「ううん、何でもないよ」
私は少し笑う。
こんな会話も、前と全然変わらない。
私達、本当に付き合ってるの?
「加奈、お前こんな時間だぞ。帰って勉強しろ。受験生」
ほら、また。
最近はいつもこうやって追い返されるんだ。
「ん…分かった」
部屋を出ようと立ち上がると、翔ちゃんは少し困った顔をして呟いた。
「…加奈、明日俺の部活、昼までだから」
「え?そうなの?」
「昼から、どっか行くか?」
「え?…うん、行く!!」
やっぱり私達、付き合ってるんだ!
初デートを約束して、嬉しくて飛び上がる思いで帰った。