秘密な契約と掟破りな愛
「でも君、相当飲んでただろ?家まで帰れるのか心配だからさ。ほら、行こう?」
今日は久し振りにロックで飲んだせいか、確かに少し身体がフラフラしてる感じがする。だけど、自覚しているから家までは一人でも帰れる。
男は私の腕を掴むと、椅子へと掛けていた黒いロングコートを手に取り半ば強引に店を出た。
「ちょっと。大丈夫だって言ってるでしょ?勝手な事しないでくれる?」
「遠慮すんなって。変な事考えたりしてないから大丈夫だよ」
この男…馬鹿ね。自分からあんな事言って…変な事考えてるのが丸出しじゃない。