この手で紡ぐ神の欠片
強いんだったら
誰にも何も言わず
立ち向かうだろう、と
意地悪い気持ちがあったが
強さというより
ただの無鉄砲かな、と
私は考えを改め直して
菜生の頭に手を置いた。
「本当に強かったら、アタシなんて要らないんじゃないの?」
私は俯いて
寂しい表情になり
強い、を少しだけ強調して
菜生に呟いた。
菜生はしばらくして
「珠輝とか…友達がいるから強くなれまっす!」
そう笑うのだから
私も笑った。
けど私は、
何故か少ししか、笑えなかった。
秘密を彼女に隠しているからだろう。