この手で紡ぐ神の欠片



表情が、凍った。


「何を、」

言っているんだ。


声が出なかった。


その代わりというわけではないが
詠人が口を開く。


「珠輝が饒舌な時は、何か隠してる気がしてね」

積み上げた言葉の砦じゃあ、
真実という城は隠せないのさ。

皮肉にしては、
綺麗な言葉だ。

私の凍った表情が、溶ける。


「つまらない言葉だね」

「――だよね」

むしろ開き直り、
言い放った私の言葉に
詠人は肩を竦めた。

「嫌いじゃないけど、そのつまらなさも」

要は、好きに近い。

ポイントを取り返すように
私は自然と微笑んだ。



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