この手で紡ぐ神の欠片
アルバムを開くと
そこには肩を組んだ一組の男女。
カップルだろうと簡単に思えた。
場所には見覚えがあり、
綺麗でゴミもない
この街の児童公園だろうと思えた。
そこにいたのは
私に似た
若い頃の黒髪の母親と――
詠人が、いた。
「――な、ぜだ」
だがその写真に写る詠人には
右目の下には特徴的なほくろがあった。
違う、これは。
「詠輝さん…?」
詠人の父親の、詠輝さんだ。
同時に思い出す詠人の言葉。
――若い頃はたくさんの女と関係もってたらしい――
――父親が昔ちょっと住んでた街――