この手で紡ぐ神の欠片
「なんでじゃねえよぉとぉりにっくぅうぅ!!!」
冷たい風が吹いたが
感情は熱を上げて、
私はフーギンの方のカラスに
手を伸ばし鷲掴み。
全力で揺らす。
「ぐぅえぇえぇ」
「貴様知ってただろッ!アタシと詠人のことをぉお!」
牙をむいてそう唸りながら
私はガクガクとカラスを揺らす、揺らす。
「そりゃあ、知っているよ」
答えたのは
私の手の中でぐったりしたカラス、フーギンではなく
フェンスの上にとまっている
詠人のカラス、ムーニンだった。
私は手をとめ、
片方のまゆを吊り上げる。
「ほう?」
嫌味ったらしく歪んだ私の口元。