この手で紡ぐ神の欠片
「そう、だね」
私は詠人の手に自分の手を絡ませた。
詠人はそんな私を見たが、
私は気にしないようにし空を見る。
グラデーション掛かっていた。
雪が綺麗に踊っていた。
「……しかしまぁ、悲しいな」
再び空を見て詠人が呟いた。
「オレ、少し怖い」
詠人が額にしわを寄せて、
目を閉じて言葉を吐いた。
「好きだったのに。好きなのに」
そう言った彼に、
私が言葉を返そうとした時に――…
雪よりも白い、羽が鼻先をくすぐった。
「わ」
その羽は、地に落ちて透き通るように消えた。
「大丈夫だっつの。この天使が祝福してやっから――…」