この手で紡ぐ神の欠片
イマドキな、口調。
いつかに聞いた綺麗な声。
「――久し振り、たまっち」
そう呼ぶのは、たった一人。
「…天使…!」
ふわりと私たちの目の前に現れた
白く綺麗な翼。
金髪にウェーブ掛かった髪。
青い、瞳。
彼女は、私が確かに――…
「うーんとその、天使は無敵っつー、アレな感じ設定ね」
フェンリルに喰わせた、はずだったのに。
私はなんだか、笑えてきた。
「久し振りだね。許してね、あの時はさ」
そう言って、私は詠人と絡めた手に力を入れる。
「良いよ別に、天使はやっぱ優しい方が良いっしょ」
ウインクに、私は応えて微笑む。
「天使の祝福をあなたたちにあげる」
柔らかい微笑に心が安らいだ。
きっと詠人も、だろう。
「今は許されない恋だけど、大丈夫」
詠人と私は、視線を合わせた。
私は肩を竦めて、
詠人は目を細めた。
「それにね、」