この手で紡ぐ神の欠片



ニィ、と天使の唇が吊り上がる。

先程の笑みが、裂けたように
不気味で獰猛な笑みだった。

ゾワリと感じた寒気。

横目で伺うと、
詠人も何かを感じたのだろう。
苦い表情をしていた。

「長く、保たないよ。あんたの命」

そう言って彼女は、
人差し指を私に向けた。
ビクっと、体が一瞬震えた。

「人間には不釣り合いな神の“力”――…」

唄うような、天使の言葉。

「ちょっと“力”があっただけの少女には、重かったね」

そうして天使は首を竦め、
向けていた指を降ろした。

「あんたも保たんから、超ドンマイ」

天使が詠人を見て言った。

詠人は肩を竦めて、
軽く言い返す。



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