この手で紡ぐ神の欠片
両手に、青い炎が纏わりついて
ポロポロと手の形が崩れていく。
詠人と絡めていた手は、離れる。
「…珠輝っ!」
熱も何も感じない。
詠人が私を見て、声をあげた。
「な、ほの…お!?」
「結末だよ」
私はそう言って、白い息を吐いた。
足にも纏わりつく、青い光のような炎。
「…っ、忌まわしい神話だなっ」
そう言って詠人は、
私の手を纏う炎を消そうと叩いたが
何も変わらなかった。
「消えないよ…!なぁ珠輝っ!」
泣きそうな声だった。
「死ぬのオレたち!?」
必死な、痛々しい声。
「死ぬんじゃないよ」
詠人の眼鏡の奥の瞳に、涙があった。