この手で紡ぐ神の欠片
「ねぇ、体重いんだけど」
私は重い体で目の前にいる巨大な狼に近付いた。
「まだ慣れていないからサ」
答えるとカラスはフェンリルの湿った鼻に乗った。
こうして見ると
改めてその大きさがわかる。
北欧神話。神。狼フェンリル。
フェンリルは嫌だったのか、鼻を降ると口を開けてカラスを食べるふりをした。
その開いた口が大きくて、本気でカラスが食べられるかと思った。
「可愛い…!」
私は言うと伏せた狼の太い首筋に抱き付いた。