この手で紡ぐ神の欠片



『マスター』

ヨルムンガンドが呟いて
頭を垂れた。

「初めまして、ヨルムンガンド」

私は頭を下げた。

ポニーテールに結った髪が
パサ、と音をたてた。

「私は珠輝」

『フェンリルの、兄です』

私はフェンリルを一瞥して、えぇ、と頷く。

「存じております。…よろしくね」

私は目を細めた。

『…こちらこそ、マスター』

私はヨルムンガンドの言葉に
微笑んだ。



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