この手で紡ぐ神の欠片
「そうよ」
母は頷く。
私はページをめくりながら、
ふぅん、と言った。
これには私の小学生頃からの写真しかない。
「小学校高学年ぐらいになると撮られるの嫌がってきたからなぁ」
父が言った。
「お年頃なの。…写真写り悪いし」
写真の中の私の
半分ぐらいは目を閉じていた。
「写真に撮らなくても心のアルバムにあれば良いってことで」
私はそう変なことを言って、
アルバムを母に渡した。
「悪いけど、戻してくれない?私たちはもう見てたし」
…ったく、ラブラブモードですか。
それは再婚だからなのだろうか…?
「はいはい」
母――珠美――と
父――正確には義父――は
私が小学校に上がる前に
出会い結ばれたらしい。
最初の父親のことは
一度も聞いたことがない。
会うこともないだろうし。
アルバムを戻すため、
階段を上って2階に行った。